診療科案内産婦人科
公立阿伎留医療センター産婦人科の基本方針
①産科医療の継続 と 宿泊型産後ケアの充実(他施設分娩の方の積極的受け入れ)
②患者のニーズにあった腹腔鏡手術を中心とした手術の提供
(良性疾患の手術に対して、基本的には腹腔鏡手術・子宮鏡手術で対応)
を2つの柱として、地域に根ざした産婦人科を継続する所存です。
診療案内
産婦人科では、1)婦人病と腫瘍、2)産科・周産期、3)思春期・不妊内分泌、4)中高年女性ヘルスケア の4分野の病気を担当します。思春期から後期高齢まで幅広く女性特有の多種多様な病気に対して各分野の学会認定の専門医が担当します。
トピックス
- 2024年4月より、常勤医師の変更により外来体制が大幅に変わりました。外来担当表をご確認ください。
- 多摩地区では初めてとなる不育症(流産・死産を繰り返す患者様)、婦人科感染症(梅毒、 クラミジア感染症などの性感染症)の専門外来を、金曜日午前中に始めました。
- 金曜日の婦人科外来は、予約制の専門外来(①不育症・婦人科感染症外来②腫瘍外来)となります。紹介状のない患者様の婦人科外来の受診は、月曜日から木曜日の受診をお勧めいたします。
- 2019年~2023年の5年間の産婦人科診療成績2023をまとめました。院内の諸事情で手術件数が減りましたが、内視鏡手術に積極的に取り組んでいるため、視鏡下手術の割合が増加しているのがわかります。
- 2023年8月から夫立ち合い分娩を再開しました
- 2023年8月から妊婦健診での超音波検査において夫同席を再開しました
- 2019年4月から運用開始した助産師外来は、4年間で270人の受診がありました。助産師外来運用実績をご覧ください。
- 当科紹介(地域医療連携センターニュース・阿伎留通信 などから)
①赴任の挨拶:髙田【地連ニュース 94号(2018年11月号)】
②赴任の挨拶:飯野【地連ニュース 96号(2019年5月号)】
③赴任の挨拶:椙田【地連ニュース100号(2020年7月号)】
④手術体制が確立:髙田【Weekly News西の風(2019年4月号)】
⑤「助産師外来のご紹介」【阿伎留通信201号(2019年10月号)】
⑥NCPR講習会が始まる【医療センター報「あゆみ」126号(2022年12月号)】
⑦新生児蘇生法NCPR講習会の自施設開催【地連ニュース107号(2023年1月号)】
当該科の対象患者
婦人科外来
月経異常(PMS月経前症候群、月経困難症)、更年期障害、子宮筋腫、卵巣腫瘍(良性・悪性)、子宮内膜症/子宮腺筋症、子宮がん(頸癌・体癌)、頸管ポリープ、腟外陰の炎症や異常、不正出血、などの婦人科領域の様々な健康上の悩み事に対処します。また、あきる野市、日の出町、檜原村の子宮がん検診指定医療施設として、一次検診の「細胞診」に加えて、二次検診としてコルポスコピーや「組織診」などの精密検査を毎週金曜日の腫瘍外来で行います。手術については、この後の「当該科の特徴」をご覧ください。
産科外来
お産は、自然分娩と予定帝王切開を行いますが、無痛分娩は行いません。また多様化する妊婦さんのために助産師外来を開設しています。助産師外来のご案内をご覧ください。
また、すべての妊娠・分娩が安全に終えるように、事前に産婦人科医全員でのカンファレンスを行い、小児科、麻酔科とも連携しています。妊娠中は、母親学級(コロナ禍のため休止)、分娩後は母乳外来や育児相談を行っています。産後経過の不安に対する産後ケア(宿泊型)を、あきる野市からの委託事業として行っています。産科外来の看護師・助産師にご相談ください。残念ながら、当科は周産期センターではありません。そのため、早産・未熟児の妊娠・分娩や合併症のある方の診察と分娩には対応できませんので、受け入れ可能な周産期センターにすみやかにご紹介します。外来担当医師が説明します。
生殖・婦人科内分泌外来
生殖医療専門医の退職により、不妊・内分泌領域の専門的な診療は控えさせていただきます。
必要な場合は専門医のいる施設へ紹介を致します。
骨盤臓器脱外来
2020年4月から、骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)外来を開設しました。毎週火曜日、担当は椙田医師(女性ヘルスケア専門医・指導医)です。当科の特徴は、性器脱の治療を内視鏡を使って行う手術(仙骨腟固定術 LSC といいます)を、椙田医師を中心に行っている点です。この手術は、患者さんに侵襲が(身体的負担が)少ないといわれていますが、難度の高い手術であるため、中央線沿線でも積極的に行っている施設は数えるほどしかありません。そのため、患者さんならびにクリニックの先生方からの問い合わせも多くあり、毎週のように手術を行っています。性器脱でお困り場合は、一人で悩まず、まず受診されることをお勧めします。
骨盤臓器脱について説明します。
骨盤臓器脱とは骨盤を支える筋力が加齢などの原因で低下して、子宮、膀胱などの内臓が腟から降りてくる病気です。以前は子宮脱・膀胱脱・直腸脱と区別していましたが、今は「骨盤臓器脱」と総称しています。本邦での骨盤臓器脱は、健康成人女性の約25%、出産経験者の約40%との報告があります。腟から何か下垂して違和感があったり、腟の粘膜が外に触れて痛みや出血があったりと、1人で悩んでいる方は、骨盤臓器脱外来での診察をお勧めいたします。また、更年期障害の診察も併せて行います。(骨盤臓器脱外来について、更年期障害についてをご覧ください)
不育症・婦人科感染症外来
妊娠は成立するものの流産や死産を繰り返し、出産に至らない状態を不育症と言います。1回目の妊娠で流産、2回目の妊娠では出産できたが、3回目の妊娠で再び流産したように、流産や死産が連続していない場合も2回の流産や死産を認めた場合は不育症と診断されます。流産や死産を2回経験したら早めに医師に相談することをお勧め致します。
また最近のニュースで梅毒患者の増加が報道されています、梅毒など性感染症の症状の多くは、性器に認めますが、全身に広がり重症化する症例もあります。そのため早期の検査を受け、感染を認めたら適切な治療を受けることが大切です。感染を疑う場合はまずは検査を受けられることをお勧め致します。
この領域のスペシャリストである早川智先生(日本大学医学部教授)の 診察(金曜日の専門外来)となります。
避妊相談 |
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子宮がん検診 | 一般的な子宮がん検診(一次検診)のほか、市町村の子宮がん検診も行っております。コルポスコピー検査(二次検診)を金曜日の腫瘍外来で行っています。 |
当該科の特徴
婦人科腫瘍の手術について
地区の検診や職場の検診、人間ドックで指摘された問題点に対しては迅速に解決します。特に、手術は、子宮・卵巣腫瘍の手術も2018年10月から開始しており、初診から手術までの待機期間は平均2~4週です。入院期間は、レーザー円錐切除で2泊3日、開腹手術で術後4~7日で退院できます。切開創は、吸収糸で埋没縫合した上にフィルムで覆うため、抜糸はありません。
なお、日中の緊急入院・手術などは可能ですが、医師数の都合で、夜間・休日の緊急入院・手術には対応できませんので、日中のご相談・ご依頼をお願いします。産婦人科外来受付にご連絡ください。
助産師外来について
助産師が行う妊婦健診は、広く全国的に定着してます。内容は、医師が行う妊婦健診と同様で、超音波検査による胎児の体重測定を行い、胎児の健康状態を確認します。同時に、妊婦さんには尿検査・保健指導のほか、お産に対する不安や乳房管理(助産師外来の大きなポイントです)を行います。 完全予約制のため時間をかけて、ゆっくりと健診が受けられます(これも特徴です)。料金は医師がおこなう妊婦健診と同額です。
受診は、妊娠24・26・28・30・32週の方で、助産師外来を希望し、医師から順調に経過していると診断された妊婦さんです。ご希望があれば、ご主人・お子様・お母様なども同席が可能です。ただし、感染症の症状または徴候がある方(特にお子様)はご遠慮ください。
分娩について
妊婦さんのニーズに応じた自然分娩を行います。ご希望の方は、月曜、火曜、金曜の産科外来でご相談ください。無痛分娩は行っていません。
出生前診断について
羊水検査、クアトロテストを行っています。
母親学級について(妊娠28~30週の方を対象に開催します。)
母親学級について(妊娠28~30週の方を対象に開催します)は、外来助産師にご相談ください。
母乳外来について
赤ちゃんの体重増加や乳房の状態などをチェックし、乳房ケアをしながら助産師がひとりひとりにあったアドバイスを致します。育児の相談も行っています。
平日の午後に予約制で行いますので、産科外来にお問い合わせください。
費用 |
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持ち物 | 母子健康手帳、赤ちゃんのおむつなど |
入院生活について
入院日数、入院する部屋、入院費用、面会時間、母児同室、産後の食事などについてご説明します。こちら(PDF)をご覧ください。
外来担当表
受付場所
- 産婦人科の受付はEブロックです。
診療体制
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統括部長椙田 賢司
- 医学博士 日本大学医学部兼任講師
- 日本専門医機構産婦人科専門医
- 日本産科婦人科学会産婦人科指導医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医
- 日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医
- 日本女性医学会 女性ヘルスケア専門医・指導医・代議員/女性ヘルスケア・アドバイザー
- 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡)
- 日本内視鏡外科学会技術認定医(産婦人科)
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 日本抗加齢医学会 専門医
- 日本性感染症学会 認定医/ICD
- 日本医師会認定 産業医
- 東京都母体保護法指定医
- がん診療に携わる医師に対する緩和研修会終了
- HBOC教育セミナー受講済
- 新生児蘇生法「専門コース(Aコース)」修了
- J-CIMELS ベーシックコース修了認定
- 厚生労働省後援・新リンパ浮腫研修(Step1,Step2)修了
- 器質性月経困難症に対する適正なホルモン療法等に係る研修終了
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科長吉村 理
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
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医員中山 琢生
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
- 日本周産期・新生児学会 母体・胎児専門医
- 日本超音波医学会 超音波専門医
- 新生児蘇生法「専門コース(Aコース)」修了
- 日本抗加齢医学会 専門医
- 日本内科学会 認定内科医
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非常勤工藤 一弥
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
- 日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 日本臨床細胞学会 細胞診専門医
- 新生児蘇生法「専門コース(Aコース)」修了
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非常勤井関 隼
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非常勤早川 智
- 医学博士 日本大学総合科学研究所教授
- 日本専門医機構産婦人科専門医
- 日本臨床免疫学会免疫療法認定医
- 日本産婦人科感染症学会理事長
- 日本生殖免疫学会理事
【学会施設認定】
・日本産科婦人科学会専門研修プログラム施設(日本大学産婦人科研修プログラム連携施設)
・日本産科婦人科学会認定卒後研修指導施設
・日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
・日本女性医学学会専門医制度認定研修施設
・日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)補完施設
・母体保護法指定医認定研修機関